笑諒庵NEWS & BLOG

みなさんこんにちは。
表千家茶道教室 笑諒庵 社中魚森です。

2018年5月20日に東京国立博物館 九条館 にて開催されました
「エネルギー茶会」の様子を裏側までじっくりレポートしたいと思います。
今回はその前編。

まず、東京国立博物館?(博物館でお茶会?)
九条館?って何?という方のために。。。

東京国立博物館の構内にはいくつもの建物があります。


施設を有料で貸し出していて茶室は全部で5棟。
その中の九条館にて今回のお茶会は開催されました。

九条館説明


昭和9年(1934)九条道秀氏より寄贈され、東京赤坂の九条公爵邸から移築されました。
もと京都御所内の九条邸にあったものを東京赤坂の九条邸に移した建築で、当主の居室として使われていました。
床張付等には狩野派による著色山水図が描かれており、これらは、もと京都御所内の九条邸にあったものです。
欄間には花梨の一枚板に藤花菱が透彫されています。
ー東京国立博物館HPより



緑に囲まれた九条館。新緑が美しい。
五月晴れの中、さわやかな風が吹き抜け、過ごしやすい1日になりました。


狩野派著色山水図。コピーが多い中、こちらは当時のものそのまま。
なかなかみられない貴重な本物の山水図です。


欄間には花梨の一枚板に藤花菱が透彫。

「エネルギー茶会」と名打たれたこのお茶会。
(主催・表千家茶道教室 笑諒庵、主催者:眞壁美枝子、監修:眞壁廉)

まずはエネルギー茶会の趣旨や三人の彫刻家の作品の説明をしたいと思います。

エネルギー茶会(於:国立博物館庭園内九条館)趣旨


3人の彫刻家の作品「火力」「水力」「原子力」の三つのエネルギーを象徴する作品を鑑賞し、
一服のお抹茶を飲みながら、日本のエネルギー問題を考えたいと思い、茶会を開きました。
国立博物館庭園の緑を愛でながら、5月に吹く一涼の風を楽しみ、一期一会に咲くお話を未来につなげながら、
とかく目を背けがちな現代の問題に、少しでも意識を向けられたら、お集まりの皆さんのエネルギーを集めて、
未来を見つめていきたいと考えます。


水力:平戸貢児(ひらとこうじ)氏作品
銅板や真鍮板を溶接して作られているこの作品は、今の平戸作品を代表する作品だろうと思う。
九条館の床の間の壁画は江戸時代に描かれた狩野派の絵で、作者は不明だが、こうした建物には珍しく本物の絵であり、それを傷つけることは許されないので台座を用意した。
現女子美術大学立体造形学科教授


作品の説明をしてくださる平戸氏。


火力:本郷芳哉(ほんごうよしや)氏作品
アルミの厚板をガスバーナで局所的に熱し、溶かしながら制作をするこの作品は本郷作品の「月」をテーマにした連作の一つ。
このようなアルミの形状を残すことは、表面温度と芯の温度が違うアルミの性質上大変難しく、高い技術を要求される。
現東京芸術大学彫刻科講師。


作品の説明をしてくださる本郷氏。(イケメン…)


眞壁廉(まかべれん)氏作品「アトムの罪」
3.11東日本大震災の時、福島の原発が事故を起こし、日本の原子力発電の開発に大きな問題を投げかけた。
その時襲って来たのが、自分の中にある原子力エネルギーの幻想の崩壊だった。原子力エネルギーの幻想とは、自分にとっては手塚治虫の漫画「鉄腕アトム」の希望に満ちた未来エネルギーと、清廉で力強い科学の子・・・のイメージで、日本は二度と原子力による悲惨な思いはしないものだと信じていた。
私たちは快い幻想を信じ、とかく現実を見失いがちになる。その事で、自らの生存が危機に瀕する事があっても、心地よい夢を見続けようとしてしまう。。。
アトムが見せてくれた夢から、今こそ覚める時だと思い、この作品を作った。


今回のお茶会の趣旨や作品の説明をしてくださる眞壁氏


さて、お茶会に戻りましょう。
九条館の貸し出し時間は9:30〜16:00
前日の夕方から荷物を搬入し、当日に備えています。

社中のみなさんは9:00に集合し、着物に着替えたり、準備をしたりと大忙し。
嵐の前の静けさ。

第一席は11:00スタートなので、10:30くらいからはお客様がいらっしゃいます。
炭をおこし、

お茶碗を並べ、

お弟子さんたちはみんなで最後のリハーサル。

第一席が始まる前にみんなで記念撮影です。

みなさん、着物姿がお美しいです。
主催のお着物がなんともおしゃれ。

これより本番。待った無しです。
緊張感が高まります。

本番の様子は後編に続く。

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魚森

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